早春で香りの高い花は梅です。昔から「梅は匂いよ、桜は花よ」という唄があるくらいで、梅の香りは、高貴と表現されるだけに清らかで嫌みのないものです。これからの季節、梅以外にもいろいろな植物が香りを風に乗せて漂わせてくれます。
花の芳香成分は、おもに花びらの表面組織に多く含まれる芳香油と呼ばれる物質がもとになっています。ある時期にわたり貯蔵され、必要に応じて酵素の働きにより溶解され、はじめて空気中に香りとして発散されるといわれています。
そして、花から出る香りは、種族の保存のためで、植物が花を咲かせるのもそのためです。ほとんどの植物は昆虫による受粉の手伝いがないと実を結びません。そのために花は昆虫にとって、目につきやすい形や色をしているのです。また甘い蜜が豊富にあるのを知らせるため、魅力的な香りを放出します。この香りを人間が芳香に感じ、愛でているのです。人間が花の香りを芳香とか悪臭と勝手に決めているわけで、植物にしてみれば人間の為に香りを出しているわけではありません。
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